窓から 鬱陶しいまでに陽光が射し込んでいるのが分かる 「ん・・・・」 眩しさに負け 眠りから目を覚ます 眠気眼で枕元の時計に触れようとするが 無い 「・・・・あれ?」 ぱちりと目を開くと 真横で男が寝ていた 「・・・・えぇぇっ!?…あいたたた頭痛い」 完全に覚醒したは 冷静にこの状況になった経緯を考えてみた 明らかに寝起きの悪そうな男・仙蔵が の動揺を知ってか知らずか、隣で寝ている まず 何故 自分は彼の部屋で朝を迎えているのか 思考を巡らそうとすると 頭が痛くなる 「…って服は!?……あぁ…着てた…」 そういえば 仲良くなろうなんて言って 部屋に行った事は覚えている それから どうしてこうなったのか 「…あの…起きてください、とりあえず起きてください本当」 がそう言いながら 仙蔵の身体を揺する しかし、起きない 「寝起きが悪そうな人だとは思ってたけど 本当にちっとも起きやしないのね…ほら起きてー」 「………う……ん…?」 「黙って寝てれば…何だか…可愛い……じゃなくて!もう朝ですよ!」 仙蔵が気だるそうな表情で を見た 「………何故…我が物顔で同じ布団に」 「私も貴方にそれを訊こうと思って起こしたのよ」 がちらりと時計を見ると 一時間目が既に始まっている時間だった だが そんな事はどうでもよかった 視線を 床に移すと 空ビン、コップが無造作に置かれていた 「…そうだ…酒盛りだ……だから頭が痛いのかー…」 「は泣き上戸なんだな」 「そうだっけ…って先に自我を失ったのは私か!くっ…何だこの敗北感は」 は 途中までの出来事ならば 薄っすらと思い出した 「こんばんは」 「…本当に来たのか、暇人め」 「別に暇じゃないけど 試験前でもないし少し位は大丈夫でしょ?」 昔は 文次郎とも仙蔵とも同じように付き合っていた だが 今は違う は 結局 自分が仙蔵から逃げている事は分かっていた 昔のように仲良くなりたいのなら 自分の態度から改めなければならない 自分が変われば 相手だってきっと変わってくれる、そう思って 「何か飲むか?」 「…気が利くじゃない!何があるの?私は別に水でも麦茶でも…」 「ジンか、カンパリか」 「……どうして選択肢が酒なのよ…それは私への挑戦状かしら」 正直 来たはいいけれども何を話していいかも分からないし 困っていた所だ は お酒の力を少々借りる事にしたのだが… 「まさか朝を迎えてしまうとは思わなかったわ……どうして部屋に帰してくれなかったの」 「酔ってる所を誰かに見られたら 私もお前も終わりだろうが」 「・・・確かに」 「お前が勝手にベッドを占領するから こういう状況になったんだ」 「仙蔵さんが下で寝ればいいでしょう」 「冗談じゃない・・・お前を落としても私は上だ」 「・・・・・そうですね」 ベッドから落とさないでくれただけ 感謝しないと、とは冷静に思った 「、ぺらぺらとまぁよく喋ってたぞ」 「…そう言われれば何か気分がハイになって沢山喋ったような」 「終いには泣き出すしな」 「え?……な…なんか恥ずかしい事言ってた?」 「…………」 仙蔵は無言でにやり、と笑みを浮かべた 「な…何!?えぇっちょっと!?言ってよ!」 「が私の事を好いているのは よく解った」 「………はぁっ!?何それ!」 がぽろぽろと涙を零しはじめた時は 流石の仙蔵も少々焦った 「笑い上戸よりは静かでいいが 泣かれるのも困るな…」 「アンタがいけないのよアンタが……うぅっ…」 「私が何をしたんだ・・・まぁ 思い当る節は無くもないが」 「ぐすっ・・・・仙蔵は私の事が嫌いなんだ」 「…だからどうしてそうなるんだ」 「お願い…嫌いにならないで」 のその言葉に 思わず耳を疑った 「・・・・、」 「駄目だ〜眠い」 「…おいっ勝手に人のベッドに………あぁ…」 その時の事は は覚えていない 仙蔵はそれを思い出し 一人でほくそ笑んだ 「…なに笑ってんのよー」 「お前 可愛い所、あるんだなって」 「・・・・お、おちょくってるの!?恥ずかしいなー何それ…」 一時間目の終わりの鐘が鳴る前には この女を追い出そう それまでは ・・・こうして居るのも悪くはないな そう思いながら 仙蔵が窓を開けた 「…無駄に良い天気だな」 何かが変わる 風が吹いた NEXT → (08.11.30 個人的にジンはいただけない) |