昨夜のあれは一体なんだったのか はただただ そればかり考えていた 一応 あれは褒められた……いや、認められたのだろうか?彼に 「、顔」 口を半開きにして明後日の方向を見つめるに 文次郎が声を掛けた 「…何考えてるの、あの男は」 「また仙蔵に何か言われたのか?」 「今までとちょっと違うんだけどさ……うー…」 「唸られても」 机に突っ伏しながら が深い溜息を吐いた 「あ、そういえば長次が・・・」 「おお!?」 が勢いよく顔を上げた 「…そういえば のお気に入りだったな、長次は」 「癒しだからね!やっぱり男は寡黙でなくちゃ」 「それで 今夜部屋に来いって」 「…えええ直々にお誘い!?私を!?あらっどうしましょう」 「言っとくけど俺も居るからな」 「あぁ、そう…まあいいけどね……トイレ行ってこよう」 あいつって時折見せる上目線が仙蔵と似てるんだよな、と文次郎が心の中で呟いた 「・・・文次郎、釣れたな」 「仙蔵…これでいいんだろ?」 「あの女が長次で釣れるとは…ククッ…」 「…今まで関わろうともしなかったのに どういう心境の変化だよ」 「・・・・・さあな」 夜 風紀の仕事を早々に済ませたは笑みを浮かべながら長次の部屋の戸を叩いた 「オホン… 参りました!」 景気よくドアを開けると そこには… 「ギャッ!!立花仙蔵が何故癒しの部屋に!……文次郎…これはどういう?」 「まぁまぁ…長次も居るから落ち着けよ!」 「………落ち着いて…さん…」 「…はい 落ち着きます」 の眼前には 部屋の主である長次と 文次郎と 何故か仙蔵 「…ところでこの面子……私はどうして此処に呼ばれたんでしょうか」 「、お前は単なる数合わせだ」 「出たっその上から目線!…で?何の数合わせなのよ…」 「これだ」 仙蔵が指さす先にある 数多の牌がの視界に入った 「…麻雀?」 「学年トップのさんなら 私と互角に闘えるだろう?」 仙蔵の嫌味ったらしい言い方に がニヤリと微笑む 「風紀やってる私が寮内でするようなゲームでは無いけど…まぁいいわ」 「ちなみに長次も強い、文次郎は…数合わせだ」 「俺も数合わせかよ!」 「ロン!大三元 ついでに發が裏ドラ」 「………手を抜け…!」 「文次郎の弱さは異常」 「お前が経験者とは聞いてないぞ」 「パソコンでよく遊んでたから」 初めは 正直そこまで乗り気ではなかっただったが 仙蔵と長次の強さが 彼女の闘争心に火をつけた 「俺、そろそろ眠いから……」 まるで勝てない文次郎が逃亡を試みた 「ちょっと待った!文次郎は徹夜の達人でしょ!?」 「……だいたいは『麻雀なんてするのは駄目』って言わなきゃいけない立場だろうが!」 「今更何言ってんのよ!長次様が居れば何でもOK」 「お前適当だな!…仙蔵、今度から俺は呼ばないでくれ」 文次郎が 大人しくしている仙蔵に話を振った 「・・・あとの奴らは麻雀の役を覚えていない…というか覚えようとしない」 「伊作は覚えてただろ!」 「文次郎も知ってるだろ…あいつは…不運すぎてゲームにならない」 「・・・・・・・そうだったな」 それからも 暫くゲームは続いた だが 一応模範的な生活を送っていたにとって 徹夜は厳しいものだった 「駄目だ、私眠い・・・オーラスオーラス…これで終わりにしましょ…」 (オーラス=オールラスト。最後の一局の事) 「意外と体力無いんだな、」 「皆が元気すぎるのよ…私は早寝早起き主義なの」 その時 は自分自身に対して驚いた 仙蔵に対して 至って普通に会話している事に 「……立花、どうして私達は仲が悪くなったのか覚えてる?」 「…普通本人に訊くか?それ」 「まぁ…いいじゃない……」 こうして普通に会話するのは 眠気の所為なのか 深夜の所為なのか 「私も覚えていない」 「…どうせ立花のその嫌味ったらしさに私が耐えられなくなったのよ」 「……お前は本当に私が嫌いなんだな」 「・・・・あ」 は ひとつ思い出した まだ幼かった過去の自分が どんな風に彼と接していたか 「………そうねぇ…嫌いなのかもしれないわ」 「…お前なら そう言うと思った」 「え?」 「…あぁ…、それ ロン」 敢えての 危険牌で NEXT → (08.9.29 麻雀って依存性がある気がする…) |