そういえば 既に昼間だというのに 今日は未だにを見ていない 普段は朝ないし昼の食堂で手伝い、もしくは授業中の時間に校庭や校舎をうろついているのに 何をやっているんだか・・・ 「文次郎、さんが心配なんだろ」 「別に」 「分かりやすい奴だ」 仙蔵は相変わらず楽しんでいるしな… まぁ少し気になるし 部屋に行ってみるか 「あれー昼休みなのに珍しい、どうしたのー」 布団に包まっているが そこに居た 「…何してんだ?」 「風邪ひいた・・・」 「えぇ?」 「池に落ちた時かなぁ…でもあれはちょっと前だもんなぁ……へっくしゅっ!」 「池って…鈍臭すぎるな」 「あの時は元を辿ればアンタのせい……いや…なんでもない」 って 言いかけておいて途中で話を止めるんだよな 「ねぇ…薬、薬無い?」 「保健室に行けばいいだろ」 「弱っている私にあそこまで行けと…?……伊作くんを連れて来てください」 「…新野先生じゃないのか?」 「新野先生は信頼出来るけど…病床に臥せる私の耳元で囁く相手は若者の方がいいじゃない…」 「………お前、本当は元気だろ」 「えぇ?この顔色を見てもそう思うかい?」 そう言われて見ると 顔色は不気味に青白い 元々あまり血色の良い方では無かったとはいえ・・・ 「確かに気色悪い色だな」 「ズバッと言うわね……っくしゅ」 「鼻水垂れてるぞ」 「…鼻水なんて見て見ぬ振りをするのが、いい男なのよ」 夏だというのに が寒そうに腕をさすっている 「…熱が出る前はゾゾッと寒気がするのよね」 「そういうもんなのか…」 「未来になると 病気とかも色々解明されていくのよ……うー寒い」 「おいおい…大丈夫かよ」 「……ここでぎゅってして温めてくれるのが、いい男なのよ」 「はぁ…?」 何故 そうなる しかしは本当に好きだな、その“いい男なのよ”ってヤツが 「…寒いな〜あぁ寒〜い」 「・・・・・・・・」 「布団だけじゃ寒いわぁ〜」 何だその挑発的な目つきは……調子悪いのか元気なのか はっきりしろ 「…こ…これで満足か」 布団の上で半身を起こしている相手を抱きしめるのはこれでいいのか? ・・・なんて格好悪い事を考えているのがに伝わらなければいいが 「随分 上から目線ね……んーありがと………」 …おいおい まさかこのまま寝る気かこの女は 全体重 掛けやがって… 「俺はそろそろ戻る…が……大丈夫か?」 「・・・・・・・」 本当に 寝たのか? つくづく危機感とかそういうものが全く無い奴だ 何時でも何処でも平気で寝やがって 「……そういうお前が…良いんだけどよ…」 夢 現 瞼を開けて 視線を外に向ける いつのまにか 外はすっかり暗くなっていた 「私いつの間に……爆睡しちゃってたのね」 身体は寝る前よりも少し楽になったような気はする けれど 顔が火照って熱い どうしてくれるんだ、これ あぁもう… 起きてる時はそんな素ぶりすら見せないくせに 「あのやろぉ…私が寝たと思ってチューしやがって…」 Next→ (08.8.31 布団の上で羞恥でゴロゴロ) |